ビルメンテナンス業界動向

最終更新日:2021/03/10

ビルメンテナンスの定義

市場規模

3.9兆円

(前年比 8.0%減)

業界シェア

業界分析

ビルメンテナンス業界は「不況に強い安定業種」であり、ビル清掃・保守・設備管理などは景気に関わらず、日常的に発生し、契約期間が長いことと、契約期間は1年契約が多い一方で長期契約者も多くもみられる。
現在コロナの影響を受ける業種も多い中で、ビルメンテナンス業界が安定業種であることは基本的に変わらない。 新型コロナウイルス感染症対策本部により発表された、「緊急事態宣言時に事業の継続が求められる事業者」に選定されており、感染症予防のための追加的な清掃・消毒需要は増える傾向にある。(※新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針2020年3月27日) その一方で、ホテルや一部の商業施設において休業に見舞われた施設・フロアも多く、コロナ後も休業が継続する可能性もあるため、慎重に吟味しておく必要があること。ビルメンテナンス業にはシニア従業員も多く在籍しているので、安心して業務に従事していただけるような感染予防対策が必須となる。
ビルメンテナンス業界、全体の売上高は上昇傾向にある。 オフィスの空室率は低水準で推移。オフィス賃料は56期連続の上昇を続け、メンテナンス業界に恩恵をもたらしている。 しかしながら、中小ビルメンテナンス企業は依然として厳しい状態が続いており、要因としては最低賃金の上昇と人手不足があげられる。

最低賃金の上昇について

  • ビルメンテナンス事業は労働集約型産業で、かつ非正規雇用者の割合が5割超えているため、最低賃金の上昇は役務原価に直結。
  • 人件費は増加するが、受託単価を上げることは難しく、事業の利益が圧迫される。

人手不足について

  • 実際の業務内容は清掃から警備まで多岐にわたるが、低い労働条件や3Kのイメージが強く人材の採用が難しい
  • 景気の向上などによって、事業者の業務量が増大しても、深刻な人手不足に陥る可能性がある

M&A動向

ビルメンテナンス業界のM&A事業は「大手集約型」、「海外進出型」の2種類に分類される。
大手集約型 イオンディライト(大阪市中央区)が2015年に総合ビルメンテナンス企業である白青舎(東京都千代田区)を買収し、完全子会社化。 M&Aを通して、感染対策や除塵技術を含めた衛生清掃への事業展開を強化している。 総合小売業であるイオン㈱が約55%を保有数するイオングループの企業であるイオンディライトは、歴史ある有力企業を取り込み、スケールメリットを生かした経営を追求したいとの意向を表明し、イオングループ外の顧客獲得によってシェア拡大を目指している。
日本管財(東京都中央区)は、2016年に沖縄県内の約120棟のビルを管理している沖縄星光(沖縄県那覇市)を買収。 日本管財は、今回のM&Aで沖縄県での市場拡大を図り、経営基盤の安定化とより一層の事業拡大を目指している。
海外進出型 イオンディライトは、2018年にインドネシア国内で第2位の規模を持つ清掃事業会社であるSinar Sarana(SJS社、インドネシア)を買収。 このM&Aは以前から推進されていた、国際戦略に沿って実施されたものである。
マンションやビルの管理をしている株式会社東急コミュニティーは、2013年に不動産管理業をしているユナイテッドコミュニティーズ株式会社の株式を取得。マンション総合管理戸数業界第一位のユナイテッドコミュニティーズの獲得により、東急コミュニティーは、合計45万戸となる管理ストックを獲得。ブランド力向上を目指した。
ビルメンテナンス、マンション管理している日本管財株式会社は、2013年にマンション管理をしている株式会社エヌ・ジェイ・ケイ・ホールディングスの株式を取得。日本管財株式会社は、NJKグループと当社の住宅管理事業との経営統合を図ることにより、高品質なサービスの提供や管理戸数の増加によるマンション管理会社としてのブランドイメージの向上を図った。

企業価値の目安

企業価値の目安 EV/EBITDA倍率(n=8) 平均は13.6倍。 近年は高い水準を推移している。事業拡大を目指し、海外展開を強化する会社が増えれば、今後も数値の向上が見込めるだろう。