対面接客はお客様と直接接する職種です。そのため、商品・サービスを買ってもらいたいあまり、お客様に警戒心を与えてしまうこともあります。接客のポイントは、お客様に「買いたい」と自ら思わせることが大切です。
この記事では、対面販売における接客の基本や気をつけたい悪い接客、良い接客のコツを解説していきます。
接客の良し悪しはお店の評価に響く
対面接客は直接お客様と接するので、受けた印象によってお店の評価に直結します。印象がよければ「また買いにこよう」と、悪ければ「もう利用したくない」という気持ちになるでしょう。
商品・サービスがよくても、接客が悪ければ来店される機会を逃してしまうほど重要です。対面販売で大切なのは、「売り込む」ではなく「お客様との信頼関係」を築くこと。商品やサービスそのものの価値だけでなく、付加価値を与えられるかによってお店の印象も変わってきます。
では、あらためて接客とはなにか。対面販売における接客の基本を解説していきましょう。
対面販売における接客の基本
接客の基本として、以下の3つは最低限守る必要があります。
- 自然な笑顔や表情で
- 言葉遣いに注意する
- 身だしなみを整える
自然な笑顔や表情で
自然な笑顔や表情は基本中の基本です。マスクで口元が隠れているからといって無表情では、お客様には気づかれてしまいます。また、緊張して張りついたような不自然な笑顔も、違和感を持たせてしまうでしょう。
お客様を待たせたり、お叱りを受けたりしているときは、笑顔で対応していては逆効果です。その場にふさわしい表情で対応してくださいね。
言葉遣いに注意する
自然な表情も大切ですが、丁寧な言葉を使うことも重要です。お客様との距離を縮めたいからといってフランクすぎる言葉を使うと、不快感を与えかねません。また、お客様が明らかに年下だからと、敬語を使わない人も見受けられます。
お店がよくても、接客が悪ければお客様は来店してくれません。相手に不快感を与えてしまわないよう、気持ちのよい言葉遣いをすることが大切です。
身だしなみを整える
身だしなみを整えることは清潔感があり、お客様に好感を持たれやすくなります。身だしなみは視覚からの情報が非常に大きく影響するため、細部まで気をつけてほしいですね。
特に気をつけてほしいのが以下の通りです。
- 髪型
- 服装
- 靴
- 化粧
- 爪の長さ
洋服はシワだらけになっていないか。靴は汚れていないか。爪の長さは適切かなど、意外なところを見ているお客様はたくさんいます。身だしなみを整えることも対面販売では重要な部分です。
対面販売で気をつけたい悪い接客
対面販売における接客の基本をお伝えしましたが、次は気をつけたい悪い接客をご紹介します。お客様を不快な思いにさせないように、気をつけましょう。
お客様を見ていない、無表情での対応
意外と多いのが、仕事に集中しすぎてお客様を見ていない人が多くいます。自分の業務に集中しすぎて、商品やサービスのことについて聞きたくてあたりを見渡していたり、レジに並んで店員を待っていたりとさまざまです。
さらに、無表情での対応はお客様に不信感を与えかねません。その場にふさわしい表情で、きちんとお客様を意識しながら働くように心がけてくださいね。
ネガティブな言葉を使う
ネガティブな言葉もお客様を不快にさせてしまいます。商品・サービスのことについて聞いても「わかりません」「できません」という否定語を使うのは、あまりよくありません。
他の店員に確認したり、できないときは別の提案をしたりするなどの対応をしましょう。それだけでもお客様は「自分のことを考えてくれている」と思い、好感を持ってくれます。
良い接客のコツはコレ!
次に、良い接客のコツをご紹介します。
よい接客とは、お客様にとって商品やサービス以上の付加価値を提供してあげることです。それだけで、「あなたから買いたい」と思わせることができるでしょう。コツとは、以下の通りです。
- お客様を観察する
- 商品を売り込まない
- お客様との心理的距離を保つ
お客様を観察する
入店時すぐに声をかけてしまうと、お客様は警戒心が出てきます。お客様がどんな商品に興味があり、自店を訪れた目的を把握しましょう。
とはいえ、ずっと1人のお客様を観察していると、監視されていると感じ不快にさせてしまいます。他にも注意を向けつつタイミングよく声かけしましょう。
タイミングのよい声かけとは
- 商品を手に取って、他の商品と比べているとき
- じっくり注意書きを見ているとき
- 周囲を見まわしているとき など
商品を売り込まない
お客様は店員が近づいてきたときに「売り込まれるのではないか」と恐怖を感じることがあります。商品の説明ばかりをされると、無理やり買わされるような気持ちになり、再来店が難しくなることも。
お客様の購買意欲を掻き立て、気持ちよく買っていただけるようにしましょう。購入を悩んでいる場合には、買わない選択も肯定してあげるのも大切ですよ。
お客様との心理的距離を保つ
人間にはパーソナルスペースが存在します。パーソナルスペースとは、目には見えない自分の感覚として他人に踏み込まれると不快に感じる空間です。人によって広さが違うので、店員とお客様の関係では、1.2mほど距離をあけることが望ましいとされています。
男性は前から向かってくる人を警戒する傾向にあり、女性は円形のパーソナルスペースとなっているので、むやみに踏み込まないよう注意が必要です。
まとめ
対面接客といってもただマニュアル通りに対応しても、お客様との距離は縮まりません。自分に合った対面接客のスタイルを確立し、気持ちよく購入していただけるように心がけていきましょう。