事業承継の計画を立てるには、社内・社外の状況の把握、経営者の年齢、後継者の育成状況、会社の事業目標、事業承継の方法などを考えつつ決定していくのが良いでしょう。
今回は、事業承継の計画を立てる際のポイントについて紹介します。
会社を取り巻く状況は?
はじめに現在の会社を取り巻く状況を理解しておく必要があります。たとえば、次のようなものです。
会社の経営資源
売上、営業利益や従業員数などから将来的に予想される人数の変動地、資産額、キャッシュフローを予想してみます。従業員が不足するなら、事業承継後の経営を考えて、それらを強化しないといけません。経営資源には、ノウハウや設備も含まれます。
これらによって会社の現状を把握し、事業承継するタイミングで従業員数や資源を整理します。後継者によっては経営資源が重荷となる可能性があります。
経営リスク
会社には資産があれば負債があります。負債や他社との競争、業界内の再編など、会社にとってのリスクを想定しておきましょう。競合との差は技術力や設備、人員によて生じる営業利益の差があるかもしれません。
会社が多額の債務を抱えることなく、事業承継をおこなうには負債を減らす計画が必要でしょう。
経営者の年齢や健康状態
経営者の年齢や健康状態によっては、早い時期でも事業承継が必要です。健康状態が悪ければ、病院や医師と相談した上で、なるべく早いタイミングで決めていきます。経営者の年齢によっては、事業承継を急ぐ必要も出てきます。
経営者の資産と負債
経営者が保有している株式や現金、土地などの資産や、個人保証や借金などの負債によっては、事業売却なども視野に入れて、事業承継に取り掛かるのが良いでしょう。
後継者の資質や状況
後継者は候補として数人にいることもあるでしょう。いわゆる後継者候補です。ただし後継者同士による争いのリスクを避けるためにも、早めに後継者候補をしぼっておく必要があります。
後継者は親族内にいなければ、社内や社外から後継者候補を選ぶのも選択肢の一つです。M&Aによって後継者を外部から連れてくる方法は、能力や経営者としての資質や年齢など、経営に必要な条件を念頭に行います。
計画を実施する時のタイミング
事業承継の計画を実行するタイミングは、自社株式の評価をおこなう決算が終わった直後でしょう。事業承継の計画作成のためには、株式の評価が必要です。
計画の実施にも株式の評価が必要となります。決算後は事業計画の見直しがあるので、現在の会社の状況をふまえて、事業承継の計画を見直すことができます。
計画を実施する最適な年齢とは?
事業承継の計画実施に最適な年齢は、会社の状況や後継者の育成などによっても変わっていきます。
健康状態も重要ですが、それ以外の課題もあります。しかし、経営者が突然亡くなってしまうこともありますし、後継者が亡くなることも考えられます。
また、業績が悪化して倒産の危機に陥る可能性もあります。
60歳から計画を立案するよりも・・
60歳を過ぎてから計画を立案するよりも、できれば50代から計画を作っていきましょう。計画の実施には60歳〜70歳となることが多いですが、いつでも安心して実施できるよう、後継者の育成や選定も含めて、計画を練っておくことが重要です。
経営者の年齢と後継者の年齢を考慮すると、いつまでに事業承継すべきか?考えやすいと思います。
まとめ
事業承継の計画は、時期やタイミング次第です。また後継者の選択も重要となっていきます。
会社の状況を見ながら、しかるべき選択肢を打っていきましょう。