昨今、海外へのアウトソーシングなどによって競争が激化する日本企業。そのなかで企業が生き残るために重要なことは、人材育成です。仕事ができる社員を育成するだけでなく、会社の将来を見据え、利益を最大化するために人材教育が必要なのです。
この記事では、人材育成がうまくいかない理由や、育成がうまくいくために大切なこと4つを解説していきます。企業にとって大切な人材を最大限に生かし、目まぐるしく変化する環境へ対応していきましょう。
人材育成がなぜ必要なのか?
人材育成とは「会社の経営戦略に貢献できる人材(社員)として育成すること」とされています。仕事ができる社員を育てるのではなく、未来を見据えて変化に対応できるのか。必要な能力が発揮でききるような、スキルを持つべき人材が必要です。
近年、海外へのアウトソーシングだけでなく、グローバル化によってビジネス環境も変化しています。少子高齢化社会の日本では、労働人口の減少傾向が問題視されている。その限られた人材をいかに育成していくのかによって、今後自社が生き残れるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。
人材育成がうまくいかない理由
会社における最大の経営資源は「人的資源(ヒト)」といえるでしょう。人的資源により、「モノ・カネ・情報・時間」が操作されています。ヒトが企業の鍵を握っているといってもいいでしょう。
昨今、大企業に入社しても「3年以内に退職する」人材が増加しています。優れた人材が辞めるには明確な理由があります。きっかけとなるのは「自社での自身の成長に見切りをつける」ことです。もし、優秀な人材ばかりが辞めているのなら、すでに大きな問題を抱えている可能性があるかもしれません。
これを防止するためにも、社員の成長につながる研修などの場を設けるなどして、人材育成に力を入れていきましょう。大切なことは短期的ではなく、長期的な視野で見ることです。
人材育成がうまくいく大切なこと4つ
「人材育成をしているけど、うまくいかない」と感じている企業も少なくないでしょう。ここでは人材育成がうまくいく大切な4つのポイントをご紹介します。ぜひ、実践してみてくださいね。
- スキルマップで明確化
- 自主性・自発性を養う
- モチベーションの管理を行う
- 育成担当者のスキルアップ
1.スキルマップで明確化
スキルマップとは、社員が業務内容に関する必要な能力を持っているかどうかを把握し、記録するためのツールです。業務内容を洗い出し、現状を把握、目標を設定します。上司だけで把握するのではなく、部下と一緒に自分がどれだけのスキルがあり、何が足りないのかを見える化します。そこから、必要なスキルを具体化しましょう。
- 必要なスキルを設定する
- 身につける期間を設ける
- どんな方法で身につけるかも書いておく
どんな方法で身につけるかも書いておけば、すぐに自ら行動できます。期間を設けることで、自主的に行うこともできるでしょう。
2.自主性・自発性を養う
会社には独自のルールが存在します。それにより、自分で考えて行動するよりも「ルールや前例に従う」という風土によって、指示待ちになってしまうケースも。そうならないためにも、社員一人一人の自主性・自発性を養うことが大切です。
自主性と自発性には大きな違いがあります。
自主性:決められたことを自らの判断でこなす
自発性:決められていなくても自らの判断でこなす
自主性を養うには「自ら考える機会を多く与えること」が有用です。自発性には「あるべき姿、理想とする状態を社員へ問いかけ、明確化させること」で養えます。
人材を育てるためには、「不要なルールをなくす」「チャレンジ精神を養う」「失敗を責めない」など、会社内での環境を作ることも必要です。
3.モチベーションの管理を行う
モチベーションとは「人が何かをする際の(やる気を起こさせる)動機付けや目的意識」とされています。モチベーションには以下の2種類があります。
外発的動機付け | 内発的動機付け |
目的意識から発生するモチベーション 「〜のためにやる」 | 自分の心の中から湧き出るモチベーション 「やりたいからやる!」 |
【特徴】 熱しやすく冷めやすい 外部からの影響を受けやすい 自らコントロールしにくい | 【特徴】 上がりにくく下がりにくい 外部の影響は受けにくい 自らコントロールしやすい |
モチベーション管理を怠ってしまうと、社員の向上心も生まれず、優れた人材が育たない可能性もあります。仕事のモチベーションを上げる方法として、人事評価制度を設ける企業も少なくありません。
年功序列に関係なく、社員一人一人のスキルや実績をみて昇進や昇給などの待遇に反映させることで、社員のモチベーションもアップします。何を評価されているのかわからない状態にならないよう、評価基準も社員全員に把握させることも大切です。
4.育成担当者のスキルアップ
最後は、最も大切な育成担当者のスキルアップです。人材育成を成功させるためには、指導者の育成にも取り組む必要があります。
また、見せかけのリーダーシップに惑わされないように気を配りましょう。指導者が部下を自分の手足と考え、自らの意見を変えず、強引に引っ張っていこうとする人は本物のリーダーではありません。
周りの意見を尊重し、必要に応じて考えを変えるような柔軟な人材かどうかをきちんと見極め、指導者に選ぶことも大切です。指導者側の必要なスキルとしては、以下の通りです。
- コミュニケーションスキル
- リーダーシップ
- マネジメントスキル
- 現状・目標を設定するスキル
- 計画性
不足しているスキルがあれば、研修や外部からの講師を招くなどして、取り組める環境をつくるのも大切ですね。
まとめ
この記事では、人材育成がうまくいく大切なポイント4つをご紹介しました。ビジネス環境が変化する今だからこそ、人材育成は後回しにはできない問題です。限られた人材をいかに優れた人材へ育成していけるのかで、企業が大きく成長していくかが鍵となるでしょう。