2025年問題という言葉を知っていますか?
日本企業にとって1番の課題となる「人手不足」。少子高齢化社会による労働者不足はどこの企業でも逃れることはできません。人手不足を解消しなければ、企業は生き残ることが難しくなるでしょう。
そこで、この記事では企業がITを活用するべき理由やITを活用した事例を解説していきます。
日本が抱える2025年問題
2025年ごろには日本人(15歳から64歳)の生産労働人口は7000万人を切る見込みと発表されています。人口の20%を占める団塊の世代が後期高齢者となる。労働力不足は、現在でも、アルバイトすらまともに集まらない企業もあるほどです。
超高齢社会はもう目前に迫っています。人材不足倒産に陥らないよう、すぐに対策を打たなければなりません。従業員一人ひとりのライフスタイルに合わせた(介護や育児など)働きやすい企業を目指していきましょう。
企業が生き残るための課題とIT活用
2025年問題は、決して避けることはできないものです。企業が生き残るための課題としては、以下の通りです。
- 人手不足
- 働き方改革
- 業務の効率化
課題だけでなく、ITを活用すればどうなっていくのかも一緒に解説していきます。
人手不足
少子高齢化社会により、労働人口が減少していくことは避けられません。中小企業・小規模事業の多くが、人手不足に悩んでいます。黒字であっても求人難のため、廃業のリスクを抱える可能性も。
求人を出しても人材が集まらないのであれば、数少ない人数でも仕事が回る環境を整える必要があります。ITの活用により、少人数でも業務を行える体制をつくることができれば、人手不足の解消につながるでしょう。
働き方改革
親の介護のため、育児のためと考え離職せざるをえない人は少なくありません。打開策として企業が行うべきことは、柔軟な働き方に対応できる働き方改革が必要です。テレワークなどのIT技術を導入することで、地方に住む人や在宅勤務できる体制を作れます。
各々のライフステージに合わせた対応は、優秀な人材の確保や従業員の離職にストップをかけることができるでしょう。IT技術の活用は業務の負担を軽減でき、従業員の定着率向上につなげるのが狙いです。
業務の効率化
従業員一人ひとりの作業スピードや効率は異なり、通常業務だけでなくイレギュラーの対応もしなければなりません。そこで、注目を集めているのが事務作業などを自動化する技術、RPA。
RPA(ロボテック・プロセス・オートメーション)とは、人が行う処理手順を登録しておけば、人に代わって実行が可能です。複数人必要だった業務をRPA技術により業務を自動化することで、少ない従業員でも現場の生産性を維持できます。
今後、AI(人工知能)の発達により、自動化できる業務はさらに広がっていくことが予想されるでしょう。
ITを活用した事例
実際にITを活用した事例を2つ、ご紹介します。
- 勤怠管理ツールで作業効率化を実現
- 農業の深刻な人手不足にITが活躍
勤怠管理ツールで作業効率化を実現
従来型のタイムカードはタイムレコーダー、インクリボンが必要となり、印字された時間をパソコンに入力して管理しているという企業も少なくないでしょう。そこで、福井自動車が導入したのが勤怠管理ツール「IEYASU」です。交通系ICカードをカードリーダーにかざすだけ。
タイムカードやインクリボンを購入する手間もなくなるので、コスト削減ができます。タイムカードの情報を自動集計でき、打刻漏れや不正打刻などの人為的トラブルを防ぐことも可能。
リアルタイムで勤怠状況を確認できるので、打刻漏れや残業時間の把握もできます。管理する側は勤怠管理が自動ででき、一覧表ですぐに把握できるのは、負担軽減につながるでしょう。
参照:交通系ICカードで使える無料の勤怠管理ツールで作業効率化
農業の深刻な人手不足にITが活躍
農林水産省が発表したデータによると、全国の農業従事者数の平均年齢は68.4歳となっており、年々増加の一途を辿っています。高齢化だけでなく後継者不足も深刻。高齢者が水田の様子を見に行き、水門の開け閉めに行くだけでも、かなりの時間が必要です。
水管理遠隔操作や自動給水をスマートフォンやパソコンから行う方法を実施した、静岡県袋井市に住む古川農園。IoTセンサーを用いて水田の水温や水量をデータ管理し、給水操作を遠隔に行えます。
広大な田畑を移動する高齢者の足腰に負担がかかる作業を、遠隔で確認しIoT自動水門で給水する。時間を効率的に活用できると、他の作業に手が回せるようになるでしょう。生産性の向上だけでなく、深刻な人手不足を防ぐのも期待できそうですね。
まとめ
これから迫る2025年問題。日本のみならず海外でも深刻となり、労働人口は減少の一途を辿っています。企業が生き残るためにIT活用で、業務の効率化を図っていきましょう。今後さらに従業員それぞれのライフステージに合わせた柔軟な働き方が、企業に求められると考えられます。