優れた会社、優れた経営者。世の中にたくさんいらっしゃいますが、どんなに優れた経営者でも不老不死ではありません。いつか経営者としての仕事を全うできない日が来てしまいます。
後継者を見つけ事業承継をおこなう時期は未定かもしれませんが、事業承継でやることを把握しておくと、案外早めに進むかもしれません。
ここでは、事業承継をおこなう際、何から手を付けたらいいのか、考えてみます。
何から手をつけたら良いのか?
事業承継をおこなうには、まずは現状の把握が大事です。現状を理解していないとスケジュールを立てることもできません。
そのために、事業承継をおこなう上で、誰が承継するのか、いつ承継するのかという基本的なことから、まずは検討していきましょう。
そこから事業の現状把握、将来性、事業承継の方法まで、仮でいいので考えていきます。そしてそれらを元に計画表を作成するのです。
事業承継の計画表を作成することで、現状を把握し、いつ何をすればいいのかを明確にすることができます。
下の中小企業庁の事業承継ガイドラインには、それらのテンプレートがありますので、参考にしてください。
事業承継ガイドラインhttps://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei20/mokuji.htm
会社の経営資源を調べる
できるだけ会社の持つ経営資源を調べます。会社の資産、負債はもちろんのこと、外部環境から見た自社の強みや弱み、キャッシュフローや、業績、株主、従業員の状況なども把握しておきます。
会社の経営リスクを調べる
経営リスク、業界のトレンドや将来性、外部環境から起こるリスクにどんなものがあるのかなども把握しておきます。
社長ご自身の財産と債務を把握する
一般的に中小企業の事業承継には、社長個人の財産を会社に担保として提供していることがあります。そのため社長ご自身の財産や負債についても、事業承継の計画には重要となってきます。
想定される課題とその解決策を考える
事業承継に想定される課題とその解決策を検討しておきます。
・事業承継後に経営状態が悪化しないか
・事業承継後、社長に多大な負債リスクがないか
・相続人は譲渡に必要な資金はあるか・税金を支払う資金の用意はあるか
後継者について
事業承継をおこなう際、適任な後継者がいるかどうか探します。ここでは、承継した後、トラブルを抱えないか、しっかりと検討する必要があります。
具体的には、下のような点で考えます。
・後継者は、必要な資質、知識や経験を持っているか
・後継者は、譲渡に必要な資金を持っているか
・後継者の経営に対する意欲はあるか
事業承継にかかる時間は?
事業承継にかかる時間というのは、後継者をどうするのか?どのように事業承継をおこなうのか?によって、異なります。
社内の社員を育てて、事業を承継してもらう場合は、遅ければ10年以上かかるでしょう。
また社外から経営者を連れてくる場合、その人の知識や経験にもよりますが、5年以内で事業承継が可能だと考えられています。いずれにせよ、時間をかけておこなうことも多いものとなっています。