経営の悩みを相談する相手は、ごくごくわずかな身近な人しかいないものです。
特に事業承継となると、さらに相談できる人は減ってしまいます。事業承継は、原因や将来性が複雑で、経営者自身、もしくは周囲を巻き込んだリスクを抱える恐れがあるからです。
家族や役員、従業員や知人に気軽に相談してしまわないよう、注意が必要です。相談する際は、トラブルを生じない人に相談する必要があります。
ここでは、事業承継の悩みを相談する、相談相手を確保する難しさについて考えてみます。
家族に相談するのが難しい
家族は一番身近な相談相手です。そうであるがゆえに、お金の話が絡むと、冷静に相談できない場合があります。
事業承継は特にお金の額が大きくなるので、人によっては相談しにくいでしょう。
さらに、親族間で噂となって知れ渡ってしまうこともあり、伝えていない相手や伝えたくない相手に情報が漏れてしまうことも。事実自体が歪曲して伝わることもあります。
経営の問題以外に、家族の内情や親族間の問題なども加わって、建設的な話はできにくいかもしれません。
従業員に相談するのが難しい
会社で働く従業員なら、企業の内情や外部環境についても知識があり、詳しいでしょう。
しかし、安易に従業員を後継者として相談してしまうと、あっという間に社内に噂が広がってしまう恐れがあります。
経営者が気軽に事業承継の話をするのは、従業員であろうと弱みを見せていると思われかねません。
リーダーシップがない経営者だと判断されることもあるかもしれません。
知人に相談するのが難しい
事業承継を知人に相談すると、より高いリスクを覚悟しないといけない場合があります。
知人が経営者であるなら相談できるかもしれませんが、同じ業界にいる人であったり、違う業界でも友人・知人に噂として話すことも覚悟しないといけません。
さまざまなリスクを考慮した上で、慎重に相談することになります。非常に難しいです。
専門家の手を借りる
事業承継を相談するなら、税金や会計などの専門知識を持つ専門家に相談する方法も検討しましょう。
事業承継の問題は、経営者の家族・親族や企業の従業員・役員では分からないこともあります。誰に相談するか、誰を後継者にするかという問題は、会計や税金と密接に関連してきます。
メリットとデメリットを多角的に検討するためには、税金や法律についての専門知識を持つ専門家に相談するのが良いと思います。
家族や従業員に相談するのは、十分とは言えないかもしれません。
まとめ
事業承継の悩みを相談する方法はさまざまです。それぞれメリットとデメリットがあり、相談する内容によって正解は異なってくるでしょう。
まずは、事業承継を解決する方法は存在する!と考えることが大事です。
しかし、その解答を経営者がお一人で出すことは難しいといえるでしょう。
そんな時は外部の専門家や周りの信頼のおける人に相談すべきです。
事業承継にも相談窓口は、さまざまな種類があります。国が運営しているものもあれば、税務の専門家である税理士、さらに事業承継に特化したコンサルタント、銀行など、多くの相談先から自社や自分に合ったところを検討してください。