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    M&Aに関する情報発信 COLUMN

    減損処理とは?計算方法やメリット・デメリットについて解説!

    2020/11/25

    会社・事業

    会計処理には減損処理という処理方法があります。減損処理は、資産価値を減らす目的で行われるため減価償却と類似点がありますが、考え方には大きな違いがあります。本記事では、減損処理の考え方や計算方法、減損処理をするメリット・デメリットについて詳しく解説します。

    減損処理とは

    減損処理は、会社が持つ固定資産を処理する会計方法です。この処理によって資産価値を減らすことができます。

    例えば、一定の売上を見込んで固定資産を購入しても、当初の見込み通り利益を得ることができななかった場合、利益を回収できるラインまで資産価値を減少させるために減損処理を行うことがあります。

    会社が事業を拡大させたり、売上の向上を見込んで資金を投入するとき、固定資産を購入して将来に投資を行うことがありますが、この固定資産は売上を回収できるとは限りません。

    購入した資産の売上が見込めない場合は、帳簿上に実際の価値よりも大きい金額が記載されてしまうことになります。減損処理は、このような資産の売上を見込めない場合に選択肢となる処理方法です。

    ただし、減損処理には一定の制約があるため、いつでも処理できるわけではありません。減損処理が自由にできると、資産を購入して節税することができてしまうため、一定の制約が設けられているのです。

    減損処理の対象となる資産

    減損処理の対象となる固定資産は限られています。ここでは、どのような資産が減損処理になるか、詳しく解説していきます。

    有形固定資産

    有形固定資産とは、機械装置や工具器具などの資産です。新しい事業を展開する場合、新しい機械装置を購入して設備投資したり、建物を新たに購入して環境を整備することがあります。

    もし事業がグロースせず、機械装置や工具器具などの資産に対して売上が確保できなそうであれば、減損処理をすることができます。

    無形固定資産

    無形固定資産は、ソフトウェアやのれんなどが対象になります。ソフトウェアには有形固定資産と同じく、投資しても利益が得られない場合に減損処理することがあります。

    一方、のれんはM&Aをしたときに計上される勘定科目のひとつです。M&Aは事業を効率化する目的で行いますが、これによる効果が思ったほど得られなかった場合、減損処理を行うことがあります。

    「投資その他の資産」に分類されるもの

    勘定項目における「投資その他の資産」に分類される資産は、投資有価証券などが該当します。

    例えば株式は投資有価証券です。株式を購入したものの、株価が予想に反して急激に下落してしまい、その後も持ち直す見込みもないと判断できる場合は、減損処理をすることがあります。

    減損処理に該当しない資産

    商品を仕入れた後に商品の価値が大幅に下落してしまった場合などは、会計上、減損処理ではなく評価損として計上します。

    その他にも、金融資産や繰延税金資産などの特定の資産は、個別の減損会計に関する指針が設けられていることがあるため、減損処理しようとする場合には注意が必要です。

    減損処理のメリット・デメリット

    減損処理には、利益を適切に把握できるなどのメリットがありますが、処理する上で気を付けるべきデメリットも存在します。それぞれについて詳しく解説します。

    減損処理を行うメリット

    減損処理を行うメリットとしては、期間収益と期間費用を正確に表すことができる点があげられます。利益に寄与する可能性が低い資産を早い段階で費用とすることで、翌年から損益計算書を作成する際に、現実に近いかたちで資料を作成することができるようになります。

    減損処理をするとその年度は損失が大幅に増えて見えますが、これは売上見込が減ったことが原因です。本来であれば翌年度以降も扱う費用ではないため、翌年度以降に発生する利益を現実に近いかたちで把握することができます。

    減損処理を行うデメリット

    会社の会計では、創業してからの利益を積み重ねた繰越利益剰余金というお金が存在しています。減損損失を多額に計上すると、繰越利益剰余金に悪影響を与える恐れがあり、結果的に企業評価・企業価値の暴落というリスクが生じることになります。

    減損処理をした年度は、企業は多額の赤字を計上する場合がほとんどのため、投資家から企業から多額の資金を調達している場合、株主への減損処理理由や経緯を説明し、納得してもらう必要があります。

    減損処理を計算する方法

    減損処理による計算方法は、二段階のプロミスで処理を行います。詳しい計算方法を解説します。

    減損処理の計算

    減損処理をするタイミングであっても、必ずしも減損処理をするわけではなく、適切なタイミングがあります。まずは減損処理を実行するか否かを判定し、処理をすると決めたら減損処理計算に進みます。

    減損処理をするかどうかの判定過程では、「固定資産の帳簿価額」と「割引前将来キャッシュフローの総額」の仕訳を比較検討します。これを前提とし、帳簿価格が割引前将来キャッシュフローの総額を上回る場合、将来的な収益確保の見込みがないとわかったら、減損処理の計算方法を用います。

    減損処理後の減価償却の計算方法と仕訳

    状況から判断して、減損処理を行う必要があると会社で判断した場合は、対象となる固定資産の帳簿価額を回収可能な価額まで減額する処理を行います。

    正味売却価額を計算する方法は、保有する固定資産の時価から見込処分費用を差し引くことで計算し、使用価値を計算するには、これからの固定資産から発生する収益と固定資産を処分するときに生み出される収益の現在価値で算定を行います。

    その後、減額した分は減損損失として、仕訳の中で特別損失の項目に計上することになります。

    減損処理が経営に及ぼす影響を考えよう

    これまで、減損処理を行うことにより、どのようなメリット・デメリットがあるかについて解説してきました。ここでは、減損処理が経営にどのような影響を与えるのかに焦点を当て、解説していきます。

    翌年度以降の業績改善に役立てる

    デメリットとしてあげたとおり、減損処理を行った年度では経営成績が悪化しますが、翌年度以降の業績では改善される見込みがあります。

    企業の経営上は足を引っ張る減価償却費が解消できるため、翌年度以降の長期的な視点では期待できる処置と考えられます。

    株価の下落に注意

    減損処理は投資家の心理や行動に悪影響を与える恐れがあります。減損処理は企業の事業展開が思うようにいかなかったことを示すことになります。そのため、投資家心理としてはプラスの印象を持つことはなく、株価の下落に直結することもあります。

    減損処理は、企業の成長や収益率が思わしくないと判断されることもあり、短期的な株価下落の覚悟はしておいた方がよいでしょう。

    減損処理の相談は専門家へ

    減損処理は、メリットだけでなくデメリットも大きい場合があり、決して喜ぶべき手続きではありません。また、減損処理は正確な計算をすることが求められます。減損処理を行うと外部からは事業の失敗だと見なされますが、それでも最悪のリスクを回避するためには必要不可欠な処置です。

    このように、減損処理は内容の理解と適切な手順を踏む必要があるため、減損処理に詳しいM&A仲介会社などに相談し、専門家からのアドバイスを貰いましょう。

    ジャストM&Aでは、M&Aに関するご相談を完全無料で手続きをしております。仲介にかかる手数料が完全無料ですので、ぜひ一度ご相談ください。

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