今回は中小企業のM&Aに関する内容になります。菅政権のもと中小企業のM&Aを促進し企業のM&Aや成長を後押しする政策が期待されます。大企業が絡むM&Aも新聞を飾りますが、実際には地方の中小企業や、後継者不足の問題に起因した事業承継のニーズ、中小型のM&Aにおいて買収の主体者になりつつあるプライベートエクイティファンドの台頭など、2020年以降もM&Aのマーケットを活況を呈しています。
中小企業のM&Aの主なプレーヤー・規模感
中小企業のM&Aでは、大企業のみならず中小企業も主体的なプレーヤーになることができ、自社の成長に必要な資産や企業を買収したいと考えている、経営者や自営業の方もM&Aの仲介のプロフェッショナルやマッチングプラットフォームを利用してM&Aの世界にかかわっていくことは可能です。また企業や事業を買収していくことを考えていなくても、不採算事業の整理や、事業承継のニーズに伴い自社の事業や会社そのものを売却したいと考えている人も、売却先や買手候補を探すことができる。
このようなM&Aマーケットが活況を呈している理由としては、カネ余りの状況もありますが、地方経済の活性化を考え、各地域で地銀などが積極的に地方の中小企業のM&Aをサポートしてきているということもありますし、プライベートエクイティファンドなどの存在が台頭してきており、企業の成長や事業承継のパートナーであることがだんだん世間でも認識され始めています。
高齢化や後継者不足で、優良な企業が解散や清算になってしまうことは経済的に大きな損卒ですし、世界でも通用する技術や製品、サービスを提供している企業は沢山あり中小企業のM&Aは非常に可能性が大きいフィールドです。中小企業のM&Aというのは、企業価値でいうと数千万円から数十億円、大きくて百億円の単位になることが多いと考えられます。このサイズのM&Aは大手証券会社や投資銀行が関与しないサイズのディールであり、実際には国内では地方銀行のM&Aチームや、M&Aの仲介のプロフェッショナルが活躍する分野になります。大手投資銀行や証券会社にM&Aのアドバイスを頼むと高額なフィーが必要になることや、必ずしも優秀な人材をあてがってくれない可能性が挙げられますので、少数精鋭で親身になってオーナー経営者や事業を経営している社長にアドバイスをしてくれるのは仲介のプロフェッショナルになります。
大型案件のM&Aは日本でも上場している大手企業や規模が数百億から数千億のプライベートエクイティファンドなどのビッグサイズのプレーヤーになります。しかしながらこのサイズの案件は絶対数では少なく、実際に日本のM&Aマーケットでは中小型のサイズのM&Aの方が数が多く、相談しやすい分野になりましょう。
中小型のM&Aでの買手候補について(事業承継など)
中小型のM&Aで主に多い相談事項は事業承継や後継者探しになると思われます。このように事業承継の先としてふさわしい買手候補は、慎重に選定する必要があります。とくに経営能力・財務基盤、事業にコミットする覚悟を備えているかということが重要になり、親族に事業を引き継いでもらおうと思っても思い通りにいかない可能性もあり難しさをはらんでいます。なぜなら、息子や娘などの親類がリスクをとって会社を経営するという意思決定や決断に応じてくれるとは限りませんし、いままでの懇意にしていた顧客や取引関係をそのまま引き継いで経営を続けていくという時に、新しい社長が就任しても現任の経営者がフォローできるのか、本当に新任の経営者で問題ないのか疑念の目が向けられる可能性もあります。
ほかにもテクニカルな論点になりますが、契約上の株主変更に伴う論点(チェンジオブコントロールなど)がないか、現在の経営者が退任した場合に、その後は経営に一切口出ししないのか、それとも会長として影響力を持つのかという問題が生じます。特に最近は地方における中小企業の経営の担い手であるプロフェッショナルやマネジメント層の高齢化や、経済や流通の首都圏への一極集中の傾向があり、中小型のサイズ感のM&Aの事業承継や売却案件は多くニーズがあるとみられており、M&Aの仲介業者にとっても最もバリューを発揮できる分野になっています。
近年では地方の中小企業の経営者の息子や親族が、都内の外資系企業やプロフェッショナルファームで経営やM&Aに関するアドバイスの経験を積み、Uターンで自分の親族の経営する企業にマネジメントとしてジョインしたり、プロ経営者として活躍するケースもあります。実際にM&Aのアドバイスを経験したことがある経営者であれば、自社が他社を買収する際にターゲットを探していくのにサポートしてくれる重要なパートナーであると思います。このように中小規模のM&Aに関与してくるプロフェッショナルや専門家も最近は多くなってきているのは喜ばしい傾向です。
プライベートエクイティファンドを活用する方法
もう一つ、中小規模のM&Aのプレーヤーで注目を集めている存在として、プライベートエクイティファンドがあります。プライベートエクイティファンドとは未上場会社やリストラやカーブアウトに伴い切り出された大企業の一部門に対して投資し、3-5年の投資期間を通じて企業価値を向上し、IPOもしくは第3者に売却することを目的にしているファンド(金融投資家)になります。企業価値の向上に際しては、プライベートエクイティファンドのプロフェッショナルが投資先の企業に常駐ないし、役員として経営に関与して行くことが多いです。
日本で有名なプライベートエクイティファンドですと、MKSパートナーズ(今はありませんが)、アドバンテッジパートナーズやユニゾンキャピタルなどが挙げられましょう。外資系ではスシローに投資したペルミラ、KITOなどに投資したカーライル、大江戸温泉に投資したベインキャピタル、日立の事業部門に対し投資したことがあるKKR、地方の中小企業の事業承継を含め、多くに日系企業をサポートしてきているCLSAなどが挙げられましょう。このようにプライベートエクイティファンドは日本に多く参入していて、事業承継や後継者探しにより事業売却が必要な中小規模M&Aでは最適な買手候補先として検討されることが非常に多いです。
昔のイメージだと、プライベートエクイティファンドに対してハゲタカのような印象を持つ人もいますが、最近では、様子は全く異なってきていて、むしろ事業承継のニーズをくみ取ったり、地方の中小企業の成長を加速させることができる重要なパートナーとして選ばれていることが多いです。
経営者の方でも、事業承継後に将来的な企業価値向上や上場等による企業のブランド力向上を期待している場合は、積極的にプライベートエクイティファンドを活用して経営を任せていくのも非常に重要なオプションになりつつあります。実際にプライベートエクイティファンドはM&Aの仲介のプロフェッショナルや、証券会社、投資銀行、会計事務所から事業承継に関するニーズがある優良企業の紹介を受けてバイアウト、時にはMBO(マネジメントバイアウト)などを通じて、積極的に買収・投資しています。
このように、プライベートエクイティファンドはもともと欧米でその存在感を高めてきていた存在ではありますが、日本でもようやく社会的に支持を得てきているので、中小企業のM&Aでも積極的に買手候補になっており、M&Aの仲介のプロフェッショナルでも豊富なコンタクトを持っているところもありますので、まずは相談して見ることをおすすめします。
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