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    知らないでは済まされない!36協定について解説します

    2022/06/01

    経営

    2021年4月から36協定届が新様式に変更され、企業は労働者の労働時間や環境について、常に配慮することが必要不可欠となりました。今回は、知らないでは済まされない36協定について解説いたします。

    36協定とは?

    正式名称を「時間外労働・休日労働に関する協定届」といい、労働基準法第36条に定められ、一般的に「サブロク協定(36協定)」と呼ばれています。

    労働基準法では、法定労働時間は1日8時間/1週40時間以内とされています。これを超えての労働、または休日労働をさせる場合には、労働基準法第36条に基づく労使協定の終結所轄労働基準監督署長への届出が必要です。

    労働基準監督署長に届け出てはじめて有効となり、届出をせず社員に時間外労働をさせた場合は、労働基準法違反となります。

    36協定書と36協定届の違い

    36協定書と36協定届は、併せ持つことも別々に作成しても構いません。協定書は必ずしも提出する必要はなく、提出する場合は、署名・押印が必須になります。

    協定届は対象期間の起算日までに労働基準監督署宛に提出し、受理してもらわなければなりません。届出を怠ると、労働基準法違反となるので注意が必要です。

    時間外労働の上限について

    • 時間外労働が年720時間以内
    • 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
    • 時間外労働と休日労働の1カ月平均が80時間以内(※1)
    • 月45時間を超える時間外労働は年6カ月が限度

    ※1 2~6カ月の間の時間外労働時間を80時間以内に納めなければなりません。

    上記に違反した場合は、労働基準法第119条により6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
    36協定を締結していない社員に対して、法定労働時間外や法定休日に労働をさせることも、労働基準法違反になるので注意してください。

    2021年4月1日から新様式に変更

    36協定届が新様式に変更となりました。変更点は以下の通りです。

    • 使用者の押印・署名が不要
    • 36協定の協定当事者に関するチェックボックスの新設

    使用者の押印・署名が不要

    36協定届における押印・署名が廃止されました。

    とはいえ、協定届と協定書を兼ねている場合は、押印・署名が必要となります。協定届と協定書を兼用している企業が多いため、漏れがないように注意が必要です。

    36協定の協定当事者に関するチェックボックスの新設

    新たに要件へのチェックボックスが新設されました。

    • 管理監督者(経営者と一体的な立場にある人)でないこと
    • 締結者の選出を明らかにし、民主的な方法での選出者であること
    • 使用者の意向で選出されていない者であること

    ※3つの要件を満たしていない労働者代表との36協定締結は無効となります。

    労働者代表は、事業場における過半数労働組合または過半数代表者でなければなりません。投票、挙手、労働者の話し合い、持ち回り決議で決定します。

    労働者代表の決定には、労働者全員の意志を確認しなければならず、対象となる労働者は、有期雇用労働者、アルバイト、パート、休職者、育児や介護による休業者も含まれます。

    36協定の締結の条件

    36協定の締結をする際に、必要となる条件を確認していきましょう。

    • 36協定の上限を超えたらどうなる?
    • 36協定の適用外となる職種

    36協定の上限を超えたらどうなる?

    労働基準法では労働時間を以下のとおりに定め、36協定を締結しなければなりません。

    • 1日8時間
    • 1週間に40時間

    締結しないまま従業員に時間外労働をさせることは原則違反となり、罰則が科せられる可能性があります。

    罰則の対象者

    36協定の違反対象とみなされるのは企業だけでなく、労務管理を担当する責任者も罰則の対象となります。

    36協定の適用外となる職種

    36協定の上限規制を対象としない職種は、以下のとおりです。

    • 工作物の建設などの事業
    • 自動車運転が必要な業務
    • 新技術や新商品等の研究開発の業務

    労働安全衛生法が改正されたことで研究開発業務は、1週間あたり「40時間/労働時間が月100時間」を超えた社員に対して、医師の面接指導が罰則付きで義務づけられました。

    さらに、2024年3月31日まで適用を延ばす業種もあります。

    • 建設事業
    • 自動車運転業務
    • 医師

    2024年4月1日以降は、業種ごとに適用条件上限が定められているので、しっかりと確認していきたいところです。

    特別条項付き36協定とは

    企業の業種や職種、サービス内容によっては決算期の繁忙期や緊急対応しなければならないこともあるでしょう。このような場合は36協定の「特別条項を締結」することで、厚生労働省の通達で定められた上限を超えての時間外労働が可能になります。

    ※時間外労働は、労働者の代表と企業側で話し合って決定する。

    • 特別条項が適用となるのは、一時的もしくは突発的な理由である
    • 特別条項付き協定の適用が1年のうち6カ月を超えないことが前提

    特別条項付き36協定を結ぶことで、長時間の時間外労働を行うことができるようになります。

    しかし、労働者の過労死につながらないように、ストレスや体調不良などの対応に尽くさなければなりません。

    まとめ

    新設された36協定について説明しました。36協定を締結していないからといって、社員の労働時間に気を使わなくてもいいわけではありません。社員一人ひとりを考え、より良い会社にするためにも、ぜひおさえておく必要があります。

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