電話やメールが当たり前になった今、現代ではなかなか送りあう習慣がない「ハガキ」。利用頻度が減少していますが、他者との差別化を図るツールとして、ハガキは欠かせないアイテムです。
「書くのが面倒」
「メールや電話で済ませればいいや」
そう思っていると、知らず知らずのうちにビジネスチャンスを逃しているかもしれません。ハガキを出す人が少なくなってきたといわれる今だからこそ自分の印象をアップさせ、周りとの差をつけるチャンスです。
この記事では、ビジネスハガキにおける基本やNG表現を紹介します。
ハガキは好感度を上げる連絡ツール
「今時ハガキなんて古い!」
「相手のことをよく知らない」
「面倒なのでメールで済ませよう」
と考えている方も少なくないでしょう。しかし、社会人として建前や体裁は必要です。相手に「非常識な人」と思われたくない方は、好感度を上げるためにハガキを出すことをオススメします。
なぜ、ハガキをオススメするのかというとハガキは手間がかかるので、他者が敬遠しがちです。敬遠しがちだからこそ効果的なツールといえます。たとえ字が下手であっても、心を込めたメッセージであれば相手と良好な関係をつくることが可能です。
ビジネスハガキにおける基本の㋖!4選
ビジネスハガキには押さえておきたいポイントがあります。相手に非常識と思われないように以下の4つを押さえて書いてくださいね。
- 頭語と結語はセットで
- 季節や時候の挨拶
- 健康と繁栄を喜ぶ挨拶
- 結びの文で締める
1.頭語と結語はセットで
頭語とは「拝啓」などハガキや手紙において冒頭に書く挨拶にあたる言葉です。反対に結語は「敬具」など文末にあたる言葉で、セットで使用します。
頭語と結語のセットは、送る相手や状況に応じて使い分けが必要です。
文書の種類 | 頭語 | 結語 |
一般的な文書 | 拝啓 拝呈 啓上 | 敬具 敬白 拝具 |
丁寧な文書 | 謹啓 謹呈 | 謹言 謹白 敬答 |
返信の文書 | 拝復 復啓 謹復 | 敬具 拝答 敬答 |
急用の文書 | 急啓 急呈 | 草々 不一 |
2.季節や時候の挨拶
手紙やハガキを書く際に季節や時候の挨拶を添えるのがマナーです。書くことを忘れないように気をつけてください。
月 | 挨拶文 |
1月 | 新春の候、寒中の候、厳寒の候 |
2月 | 立春の候、余寒の候、晩冬の候 |
3月 | 早春の候、春分の候 |
4月 | 陽春の候、晩春の候、桜花の候 |
5月 | 新緑の候、青葉の候、若葉の候 |
6月 | 初夏の候、向夏の候、入梅の候、梅雨の候 |
7月 | 盛夏の候、大暑の候 |
8月 | 晩夏の候、立秋の候、炎暑の候、残暑の候 |
9月 | 初秋の候、秋色の候、涼月の候 |
10月 | 秋晴の候、秋冷の候、紅葉の候 |
11月 | 落葉の候、霧秋の候、晩秋の候 |
12月 | 初冬の候、寒冷の候、師走の候 |
3.健康と繁栄を喜ぶ挨拶
挨拶文において相手方の健康と繁栄を喜ぶことは大切なマナーです。
以下一例。
- ご清栄
- ご隆盛
- ご繁栄
- ご繫盛
- ご盛栄
「ご健勝」などは相手が退院したばかりや病気がちな状況である場合の挨拶の言葉として使われるので、気をつけましょう。また、見舞い状やお悔やみ状など相手が喜ぶべき状況にないとわかっている場合は、繁栄を喜ぶ言葉を書くことはマナー違反となるので注意が必要です。
4.結びの文で締める
ビジネスハガキでは、結びの挨拶で相手に礼を尽くすことも大切なポイントです。しっかりと結びの挨拶を書くことで、相手に良い印象を与えることができます。
例えば、
- 今後とも末永くお付き合い賜りますようお願い申し上げます
- 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします
など長いお付き合いを望んでいると相手に示す言葉で締めましょう。
また、取り急ぎお礼状ハガキで済ませるような場合は、
- まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます
といった一文を入れることで、相手に「感謝しています」「忘れていませんよ」と伝えることができます。
【ビジネスハガキ】NG表現やマナー
「丁寧に書こう」と思うあまりつい過剰敬語しがちなNG表現やマナーを紹介します。
- 二重敬語に気をつける
- 句読点や「去る」などの意味は使わない
二重敬語に気をつける
二重敬語は意識しておかなければ間違いやすいポイントです。つい使ってしまいがちなので、送る前にしっかりと確認しておきましょう。
基本言葉 | 正しい敬語 |
言う | おっしゃる、言われる |
来る | おいでになる、いらっしゃる、お見えになる |
見る | ご覧になる、見られる |
読む | 読まれる、お読みになる |
もらう | お受けになる、お納めになる |
考える | お考えになる、ご高察くださる |
句読点や「去る」などの意味は使わない
新年の挨拶として年賀状を出すこともあるでしょう。その際に注意してほしいのが句読点や忌み言葉です。
句読点「、」「。」は相手との縁の区切り、終わりを連想させるといわれ、敬意の欠如と捉えられたりするのでタブーです。
縁起が悪い、良くないことを連想されるといわれている「忌み言葉」を使わないことも重要です。
「去、失、病、倒、閉、戻、終、切、絶、再」などを挨拶文に含めることは避けましょう。
「去年」などはうっかり使ってしまいがちなので、「昨年」や「旧年」などを使うようにしてください。
NG表現や忌み言葉を使わないことは相手からの信頼そのものが揺らぐ原因にもなりかねませんので、注意が必要です。
まとめ
ハガキは他者との差別化を図る大切なツールです。「この人は私のために書いてくれた」「気の利いた人」と相手に思ってもらえたり、自分の印象をアップさせることができます。手間も時間もかかってしまいますが、他者が敬遠する分効果的で周りに差をつけるチャンスです。