会社には複数の形態やさまざまな関係性があります。たとえば、人間にもよく例えられますが、親子関係や兄弟関係などです。
その中で、近年最も増加している形態が持ち株会社です。
今回は、持ち株会社とは何か?その定義やメリット、デメリットについて解説します。
持ち株会社とは?
持ち株会社とは、投資を目的としたものではなく、子会社の経営や事業全体に関わること、支配することを目的に株式を保有した会社のことを指します。
グループ全体の経営戦略や事業戦略などに携わることができます。
持ち株会社は、2種類に分かれる
持ち株会社は、大きく2つに分かれます。1つ目は、純粋な持ち株会社。グループ企業の指揮・命令のみを目的に設立されます。自分では生産活動や事業をおこないません。子会社からの配当金が売上となります。
2つ目は、事業を持つ持ち株会社です。子会社の株式を保有する一方、持ち株会社自体も事業をおこないます。
持ち株会社制とは、頭脳と肉体を分けるイメージ
持ち株会社は親会社として事業をおこないません。グループ全体の戦略や意思決定に専念します。
これがグループ全体の頭脳に当たるわけです。
一方、複数の子会社は、親会社である持ち株会社からの指揮、メリ例に基づいて経営活動をおこないます。
つまり、複数の子会社はグループ全体の手や足に当たるわけです。この親子関係は株式の保有によって構築されています。
株式を50%以上保有すると親会社になる
子会社の株式の保有割合によって、親子関係の程度が決まります。
子会社の株式を50%以上保有すると、株主総会の議決権を50%以上保有することになるため、事実上支配することができます。
ちなみに、100%の株式を保有した場合、完全子会社となります。
20%〜50%未満の株式した場合、単独過半数は取れません。したがって、大きな影響は与える大株主となります。
持ち株会社のメリット
持ち株会社には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
1、効率の良い経営ができる
持ち株会社のメリットの一つは、効率的な経営ができることです。事業と経営を分けるとことで、それぞれ特化してコアな業務に専念できます。
それぞれが専門的に業務をおこなえれば、さらにグループ全体の成長が期待できるでしょう。
2、M&Aによるグループへのダメージ緩和
M&Aによってグループを守ることができます。グループに経営危機がおとずれた場合でも、売却した事業だけ切り売りすることができるため、グループ全体へのダメージを緩和することができます。
また、親会社が子会社の株式を保有しているので、子会社の敵対的買収から防衛することができます。
持ち株会社のデメリット
持ち株会社には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
1、グループ連携の乱れ
グループ内の連携が難しくなります。親会社と子会社は親子関係でありますが、グループの子会社同士は兄弟関係なので支配関係はありません。
そのため、ヨコの連携は難しくなります。
持ち株会社の統率力が及ばない場合、グループ企業同士で関係が悪化したり、不祥事などが起こったり、グループ全体にとって不利益となるようなことが発生する可能性があります。
2、法人コストの増加
持ち株会社制は、それぞれが独立した別会社です。そのため、総務や人事、経理と言った機能は、各会社に必要です。グループの拡大を目指すのであれば、バックオフィス業務の拡大は必要です。
グループの成長に合わせて、バックオフィス業務も拡大していかないと、収益が鈍化する事態も考えられます。
持ち株会社が積極的に業務を負担したりして、グループ全体が事業に集中できる環境を整えていきましょう。
まとめ
今回は、持ち株会社の詳細、メリット、デメリットなどについて解説しました。
資金力がなかったり、リーダーシップが強力じゃないとできない形態ですが、上手くいくと効率の良い経営が可能です。
メリット、デメリットを把握した上で持ち株会社に興味があれば、専門家に相談してみましょう。