上場した会社の株式を保有していると、M&Aなどを目的とした株式公開買付の対象となる可能性があります。
今回は、株式公開買付(TOB)とは何か、メリット、デメリット、主な防衛策について解説します。
株式公開買付(TOB)とは何か?
株式公開買付(TOB)とは、TOBと言います。
TOBとは、take over bid. の略称で、公開企業の経営権を取得することなどを目的として、対象の株式を短期間に大量に買い付けることを指します。
株式公開買付の目的
株式公開買付(TOB)をおこなう目的とは、下のようなものです。
1、経営の実験を握る
持ち株比率が50%を超えると、買収先の企業は子会社となります。持ち株比率が100%となると、買収先の企業は完全な子会社となり、すべての決定権を得ることができます。
2、自社株を買い集める
TOBは、他社の経営権を握るだけでなく、自社株を買い集める目的で使われることもあります。
自社を上場廃止にするためや、他社からの買収を防ぐため、1株あたりの価格を上げるためなど、さまざまな目的があります。
株式公開買付のメリット
ここでは、株式公開買付のメリットをご紹介します。
1、株式を一度に買い集められる
十分な取引量がなければ、大量の株式を一度に買い集めることは不可能です。しかし、TOBなら経営権の取得まで効率的に株式を買っていくことができます。
2、決めた金額で株式を買い集められる
TOBは、価格を決めて株式を買い集めます。市場の株価によって思わぬ資金が出ていくことはありません。
3、予定数の株式を取得できないならキャンセルできる
予定数に株式取得が満たない場合、TOB自体をキャンセルできます。これもメリットの一つです。
TOBであれば、すべての株式取得をキャンセルできます。中途半端に株式が手元に残ることはありません。
株式公開買付のデメリット
ここでは、株式公開買付のデメリットをご紹介します。
売却後に損をすることがある
買収防衛策の中には、デメリットとなる防衛策もあります。
そのため、買収防衛策が成功したとしても株価が下がり、売り方によっては株主が損をする場合があるのです。
株式公開買付(TOB)に対する防衛策
株式公開買付には、さまざまな防衛策があります。今回は主な防衛策として下のようなものを紹介します。
- ホワイトナイト
- ポイズンピル
- 焦土作戦
- 株主価値の向上
まとめ
今回は、株式公開買付(TOB)とは何か、メリット、デメリット、主な防衛策について解説しました。
TOBでは、相手先企業との交渉や株主への説明などが重要となります。専門家の知見を得ながら進めていくことがおすすめです。