家業となる会社を子どもが引き継いだり、親族が引き継ぐ場合があります。それらの場合、周囲の期待やタイミングによって成功するかどうか決まってきます。
将来において末永く会社を継続していくには、経営を上手くできるよう、さまざまな角度から引き継ぎを上手くすることが大切です。
今回は、会社の引き継ぎとは何か、その種類についてご紹介します。
会社の引き継ぎとは何か?
会社の引き継ぎとは、さままなパターンがあります。一つ目は、現在の経営者から、親族に引き継ぐパターンです。
二つ目は、社員へ引き継ぐパターン、三つ目は、第三者に引き継ぐパターンです。
まずは、親族へ引き継ぐパターンについて説明します。
親族内で引き継ぐ
会社の引き継ぎで最も多いのは、親族内で引き継ぐことだと言われています。親族内で引き継ぐこととは、経営者の配偶者や子どもなどの親族に引き継がれることを指します。これは、いわゆる「親族内承継」と言われています。
一般的に、第三者にあたる人物が引き継ぐよりも、親族が引き継ぐほうが「気軽」であると考える人が多くいらっしゃいますが、そういう場合が多いわけでは決してありません。
会社を引き継ぐ親族にとってもプレッシャーのかかる方法だと言われていて、会社の事業内容や経営スキル、知識について身につけておかねばならないことが山ほどあります。
親族内での引き継ぎに悩む人は多い?
意外かもしれませんが、親族内での会社引き継ぎは、非常に難しく感じ、悩む人が多いようです。単純に子どもや親族が引き継ぐということで処理すればいいわけではありません。
経営、会社を引き継ぐ以上、社会人としてのマナーやビジネススキル、経営者として手腕が求められます。
そのために、会社の引き継ぎに抵抗を感じてしまう方が少なくないようです。
当然、親と子では、性格が違いますし、得意とするもの、不得意とするものが異なるでしょう。
たとえ、親が経営しても時代によって上手くいくかどうか未知数です。まして、子が優れた経営者として活躍できる能力を持っているは限りません。
一旦、会社を引き継げば、よほどのことがない限り、親族は辞めることはできません。後戻りできないのです。
その点に関しても抵抗を感じてしまい戸惑ってしまうでしょう。
逆に、事業を成功させる場合も多く見られるます。さまざまな点から検討をおこない、メリット、デメリットを検討するのが大切ですね。
社員へ引き継ぐ
社員へ引き継ぐケースとは、いわゆる「従業員承継」によるパターンです。親族以外として役員、もしくは従業員を後継者として事業を引き継いでもらいます。
事業承継の問題は、誰に引き継がせるか?だと考えます。その場合、経営能力のある人物に託しやすい「従業員承継」は、非常に安全策に映るのです。
たしかに親族に適任もいない場合、折衷案として従業員承継は魅力的です。しかし、デメリットがあるのも間違いありません。
社員へ引き継ぐ場合のデメリット
たとえば、従業員承継はほとんどの場合、世代交代がありません。親族内承継や第三者による承継の場合、少なくとも20年は若返ることは大いにあります。
従業員承継の場合、これまで経営者の右腕、ナンバー2として手腕を発揮した役員が後継者になることが多く、中堅社員がいきなり経営者に承継されることはまずありません。
つまり、経営者と同年代、もしくは少しだけ若い、10年ほど若い人となる場合があります。世代交代は非常に厳しいと言えます。
また、従業員承継の場合、抜本的な改革や事業変更など会社をさらに発展させるための方向性はほぼ期待できないでしょう。
これまでの会社の方針がそのまま引き継がれることが多く、ほとんど会社が発展せず、現状維持で続けられることが考えられます。
第三者へ引き継ぐ
最後に第三者による引き継ぎをご紹介します。この方法は、大きく二つに分かれます。
外部の人を招聘する
会社外部から招き入れて事業承継をおこなう方法は、親族内でも社内でも後継者が見当たらない場合に検討されます。この方法は、株主が先代経営者もしくは親族がそのまま株主でとどまることを前提に用いられています。
外部招聘のメリット
外部承継のメリットは、幅広く人材を探せる点にあります。親族内や社内にくらべて選択肢が多く、場合によっては非常に優れた人材を見つけることができます。
それによって、さらなる会社の発展が見込めるでしょう。
買収による会社引き継ぎ
会社の買収(M&A)による引き継ぎというパターンもあります。親族内や社内、第三者として社外にも後継者が見つからない場合、最終的に会社を廃業せざるを得ません。それを避けるために、他者に会社を買収してもらい、経営を引き継いでもらう方法です。
買収先によっては、会社が大きくなったり、社員の福利厚生が改善されたり、株主は会社の売却利益を得られるというメリットがあります。
また、自社と同業種の会社を買収した場合、シナジー効果が得られることがあります。既存の事業を拡大すべきなら、M&Aは非常に有効な方法と言えます。
ほかに、異業種の会社に買収された場合は、新しい事業に参入できる可能性もあり、コスト削減も期待できます。
まとめ
今回は、会社の引き継ぎとは何か、その種類についてご紹介しました。会社の後継者選びは非常にやっかいな問題です。事業引き継ぎを検討していく際、M&Aを検討すべきか?と悩まれる場合もあると思います。
それぞれの方法のメリット、デメリットは異なりますが、事業承継はいずれ決断しなければならない問題ですので、決断をくだす際のご参考になれば幸いです。