会社売却やM&Aは、どのような理由でおこなわれるのか。会社売却を決断する時、いくつかの理由が挙げられます。
今回は、会社売却やM&Aをおこなう理由についてご紹介します。
会社の売却を決断する時
M&Aによる会社売却のイメージが変わってきています。昔は身売りや乗っ取りのイメージがありました。
今は、事業承継や事業拡大のための経営手段の一つという認識があり、確実に世の中が変わってきています。
そんな中、シナジー効果を期待して会社を買い取る決断をする企業もあれば、事業を継続できるという理由で会社売却を決断する人もいます。
会社の売却を決断する理由は、以前とは明らかに変わってきているのです。
それでは、会社売却には、どういった理由が多いのでしょうか。
会社を売却するべき「良い理由」
創業者利益の獲得
会社を売却することで、創業者が資金を得られます。その資金を別の事業に投資したり、創業者のアーリーリタイアの実現に使ったりします。
また、創業者の高齢化によって、体調を崩したり、病気になったりすることも珍しくありません。それら健康問題を理由に、売却を検討するケースもあるのです。
後継者が不在
会社の売却理由の多くは、後継者の不在です。後継者がいない企業が全体の48%にのぼることが中小企業庁のデータで分かっています。
企業に合った後継者を育てられなかった企業が多く、まかせる人材が周りにいない場合、会社は廃業の道を進んでいくほかありません。そこで、第三者にまかせるために、会社売却、つまりM&Aという選択肢で事業承継をおこなうのです。
企業の成長
会社の成長や発展のために、資金力のある会社の傘下に入ったほうが良いと創業者が考え、売却を決断するケースがあります。
子会社の売却
子会社の売却によって経営における選択と集中をおこない、経営資源を集中させるケースです。
新規事業のため
新規事業に資金がかかるため売却するケースです。経営者が既存事業から撤退したい場合、そして新規事業をはじめる場合、売却が考えられます。
資金調達の必要性
親会社が資金繰りに困り子会社を売却するケースです。業績の良い子会社を売却し、資金を調達します。
後継者にまかせられない
会社を存続させるために後継者を育てていたが、育成が不十分であることが分かった。このままでは従業員の雇用の確保、事業の存続ができなくなる。
そんな時に、第三者に事業承継するために会社を売却するケースがあります。
従業員の雇用の確保
経営が行き詰まり、従業員の雇用を維持できなくなった。そんな状態の時、会社を売却することで、雇用を引き継いでもらうケースです。
資金力のある会社に買い取ってもらえれば、労働環境の向上が見込めるため、雇用の維持も可能でしょう。
需要の減少
市場の需要が減少したため、将来の生き残りは単独では難しいと判断。単独の経営よりも、資金力のある会社の傘下に入ることを考え、会社売却をおこなうケースです。
会社を売却せざるを得ない「悪い理由」
業績不振 (先行き不安)
経営環境が悪化し、今後経営を続けていっても業績の向上が見込めない。再生のために会社売却に踏み切るケースです。構造として赤字が続き、抜本的な立て直しが急務な中で、企業の再生を考えたM&Aとも言えます。
まとめ
今回は、会社売却やM&Aをおこなう理由についてご紹介しました。
事業承継、会社売却の理由は、会社によって創業者によって異なります。さらに、会社売却をおこなう具体的な方法も、その時に合ったM&Aスキームを検討しなければなりません。
手法はさまざまで、メリット・デメリットがあります。迷った場合は、専門家にご相談ください。