少子高齢化社会が加速するいま、人材育成、スキルアップが求められています。人材育成を怠ってしまうと「離職率が高く人手不足になってしまう」「従業員のスキルが伸び悩んでいる」など企業として業績が低下してしまう恐れも。企業にとって欠かすことができない人材育成の重要性と手法を紹介します。
人材育成とは?
人材育成の目的は、従業員を「経営戦略に貢献できる人材へと成長させること」を意味します。従業員のもともとあった能力・モチベーションを上げ、企業が望む方向へと成長させることで、業績向上が期待できるでしょう。
人材育成の重要性
少子高齢化社会が進むなか、すべての企業が人材不足に陥る可能性があります。企業が抱える資源のなかで最も大切な資源は「人」です。企業が安定して成長するためには、従業員一人一人の能力の向上や、有能な人材を確保し続けることが重要。テレワーク化によって対面でのコミュニケーションの機会が減少しているいま、最も必要なことが人材育成なのです。
人材育成の手法5つ
人材育成の方法は、状況によって異なります。それぞれの場面で具体的な手法を使い、人材育成を行いましょう。主な手法は以下の通りです。
- OJT
- Off-JT
- 自己啓発(SD)
- e-ラーニング
- コーチング
1.OJT
OJT(On the Job Training)とは、実体験を通して教育や指導を行う代表的な人材育成です。新人が先輩社員に付き添われて経験を積み重ね、知識やスキルを習得することを目指します。ほとんどの企業で行われている手法ですが、教育担当者の負担が大きく、業務効率に影響を与えることもあります。
2.Off-JT
Off-JT(Off the Job Training)は、セミナーや研修を講師を招いて行います。業界標準の知識やスキルを習得できるので、学んだ知識が業務に反映される。ロールプレイングなどを取り入れる方法は効果的で、各分野のエキスパートならではのノウハウを取得することが可能です。
3.自己啓発(SD)
SD(Self Development)自己啓発は書店などでも多く扱っており、自らのスキルアップを目的として学んでいる方も多いです。書籍やセミナー受講することで学び、個人が自発的に仕事に役立つ学習をします。
4.e-ラーニング
e-ラーニングとは、インターネットを利用し、時間や場所の指定がなく各々のタイミングで学習することが可能です。自社向けにカスタマイズすると金額は高くなるが、教育担当者の負担は小さくなります。受講後に、確認テストなどを実施することも可能です。
5.コーチング
コーチングは上司が部下に仕事の答えを教えることではなく、ヒントを投げかけ自らの考えを引き出すことにあります。基礎知識や基本的なルールなどを教えるティーチングとは違い、気づきを与える手法です。結論をすぐ教えることではなく部下が自分で「目標」を見つけ、モチベーションアップへとつなげる目的があります。
人材育成のポイント
人材育成は、従業員のキャリアによって変わってきます。1人ひとりに合った教育をすることが求められてきます。
新入社員の教育プログラム
基本的なビジネスマナーだけでなく、コミュニケーション能力や仕事の進め方など実践的なスキルを身につけることができます。新入社員の基礎となるため、「いい」「悪い」をはっきり教えることが大切です。さらに自主性を育み、「責任感」を持たせることも重要になってきます。
若手・中堅社員の育成プログラム
単に与えられた業務をこなすだけでなく、今後の仕事の土台を作る重要な時期です。仕事の目的を考えタイムマネジメント能力の強化、取り組む意欲を向上させる目的があります。スキルを伸ばすだけでなく、リーダーとして、一人前のビジネスパーソンとしての育成を行います。
中間管理職の育成プログラム
部長やマネージャーなど転換に向けてさまざまな課題があります。部下とのコミュニケーション能力強化や、業務の効率化など的確に対応するための高度な教育プログラムが必要です。役職を付けるだけでなくフォローアップや育成を怠ってしまうと、引き抜きなどで有能な人材を失い、企業としての今後が大きく左右される可能性もあります。
中途採用社員の育成プログラム
即戦力として採用されている半面、過去のキャリアによって仕事の進め方・考え方が自社と異なることがあります。経験やスキルによって育成プログラムを行うことが重要になってくるでしょう。中途採用社員によっては、新入社員と同じプログラムから始めることも検討してみてください。
まとめ
人材育成するにはまずは「明確な目標」が大切です。目標がなければ、育成者は教育の意味を見出すことが難しくなってきます。5年後、10年後を生き抜くために、社員一人ひとりの資質を見極め、能力やモチベーションを引き上げる戦略が必要となってくるでしょう。