今ではなくてはならないICT技術ですが、そもそもICTとはなにか。現在の日本は少子高齢化社会という大きな問題を抱えています。そんなICTを活用した事例や今後の動向を紹介します。
ICTとは?
ICTは「Information and Communication Technology」(情報通信技術)の略で、コンピューターを使った情報処理や通信技術の総称です。日本ではよく「IT」という言葉をよく耳にすると思いますが、ICTにはCommunication(通信、伝達)と入っており、情報処理だけでなくネットワークを利用し「情報や知識」の共有を重要としています。
ITとICTは実用上の意味としてはほぼ同じです。国際的には「ICT」が一般的なことから、近年は日本でもICTの言葉が広まっています。さらに、医療現場・介護業界では慢性的な人手不足を解消するべくICT技術の活用で、効率化が図れます。
教育現場では教員の資料作成や添削の負担が大きいことや、新型コロナウイルス感染症の蔓延により授業が受けられないなどの問題をICT技術で解決することができます。
ICTとIoTの違い
ICTとIoTの違いは何かというと、「モノが関わっているかどうか」という点です。IoTはモノにインターネットといった言葉で訳され、人とモノだけでなくモノとモノを情報技術で通信します。身近なモノであれば現在はスマートデバイス(明確な定義はないが、スマートフォンやタブレットの端末が相当)でロボット掃除機やエアコンの電源を操作できます。
モノが主体のIoTでは人が操作を行いますが、影響を受けるのはモノ(家電)なのでIoTに該当します。情報を伝達するという意味では両者とも似ていますが、大きな差として「モノ」が関わっているかどうかという点です。
ICTの活用事例を紹介
ICTの活用事例を以下の3つ紹介します。
- 教育現場
- 医療現場/介護業界
- 防災対策
教育現場
さまざまな分野でICTの導入が多くみられますが、教育分野は急速に導入が進んでいます。以前は、教科書が重く持ち運びが負担になっていましたが、現在ではPCやタブレットなどに教材が組み込まれての使用。教科書や資料の電子化により自宅でも学べるオンライン授業、宿題もPCやタブレットで提出するなどで活用されています。
新型コロナウイルス感染症の影響で日本政府が、PCやタブレットの配布を積極的に行いオンライン授業が可能になりました。さらに、教員の資料作成も簡素化できるだけでなく、生徒情報の管理も行えるのが特徴です。
医療現場/介護業界
医療業界は専門的な知識が必要となり、総合病院でしか診断できない病気もICTの活用で遠隔診療に注目が集まっています。CTやMRI画像などを、専門医にネットワーク経由でリアルタイムに診断することができる。また、AIやビッグデータを活用した診断や治療も始まっています。
介護業界でも人手不足は深刻で、独り暮らしを余儀なくされている高齢者の増加は大きな社会問題にもなっています。そこで、ICTを活用しインターネットを通じて、離れた場所にいる高齢者の状況を確認できるサービスが普及しています。
IoT技術によって部屋にWebカメラを設置したり、家電にセンサーを設置したりして安否を確認するなど、さまざまな取り組みが始まっています。
慢性的な人手不足である医療現場では紙管理を電子化する、介護業界では離れていても高齢者の安否確認ができるなど、ICT技術の活用により効率化を図ることが可能となりました。
防災対策
自然災害が多い日本では災害が発生した場合には、迅速な対応が求められます。緊急地震速報で災害発生地点の近くにいる人たちに、情報をいち早く伝えることができるようになりました。津波による被害予測や台風による浸水の被害など、ICTの活用により瞬時に予測するシステムが活躍しています。
今後のICTの動向
ICTの普及でビジネスにおいて新しいグローバル化がさらに加速。国内だけでなく国を跨いだオンライン会議、打ち合わせがスタンダードとなりつつあります。さらに新型コロナウイルス蔓延によりテレワーク・リモートワークによる働き方が推奨され、それにより人々のライフスタイルにも変化をもたらしています。
それにより、勤務地を問わない就業形態が可能となり、働き手のライフスタイルや生活スタイルが大きく変化しました。育児中、介護中の方でも働きやすい環境となり、少子高齢化社会の今だからこそこれからさらに進んでいくことが予測できます。
まとめ
ICTの活用により人々の生活スタイルに大きな変化をもたらしています。人手不足に待ったをかける技術の導入や、自然災害の発生をいち早く情報を集め発信することで、安否確認することができます。
さらに働き手の生活スタイルによって在宅勤務が可能となり、人材不足に悩まされている企業もリモートワークの導入で、解消されることも。今後のICTの活躍に目が離せません。