最近メディアなどで頻繁に見聞きする「メタバース」という言葉。ゲームだけでなくビジネスにおいても、さまざまな企業がメタバース事業に参入しています。とはいえ、メタバースとVRの違いやなぜ注目されているのかは知らない方も多いのではないでしょうか。
今回はメタバースが今注目されているのか、ビジネスにおけるメタバースの可能性について解説していきます。
そもそもメタバースとは?
メタバース(metaverse)は「meta(超)」と「universe(宇宙)」を組み合わせた造語で、インターネット上での仮想空間のことです。仮想空間はVR、ARなどをまとめた「XR(現実と仮想の世界を融合して新たな空間を創り出す)」技術の発展によって、浸透し始めています。また、さまざまな企業がメタバース事業へ参入し、ビジネスにおいても注目を集めています。
メタバースの定義
現時点ではメタバースの定義は確立されておらず、経済産業省が公開した資料によると「1つの仮想空間内において、さまざまな領域のサービスやコンテンツが生産者から消費者へ提供される場」とされています。
参照:経済産業省「仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業」
メタバースとVRの違い
メタバースとVRが同一性と考えている方も少なくないでしょう。VR機器はメタバースに接続する際にも使われますが、別物です。VR(Virtual Reality)とは、仮想空間で現実に近い体験をするための手段であり、メタバースは仮想空間のこと。仮想空間(メタバース)でVRの技術によって、現実のように感じられる体験が可能になりました。
なぜメタバースが注目されているのか
2020年からコロナ禍によりリアルで人との交流や移動が制限され、リモートワークが軸となり家で過ごす時間が増えたことでメタバースが注目を集めています。
コロナ禍での新たなビジネスチャンス
メタバースは場所やソーシャルディスタンスなどの制限がなく、自由にイベントへ参加ができます。そのため、コロナ禍で緊急時代宣言が発令され、家にいる時間が増えたことで他者とのコミュニケーションをとる場としてメタバースに注目が集まりました。
コロナによる感染リスクを出すことなくイベントを開催することができることに加え、システム次第では数万人規模の交流が可能となり、現実よりも多くのユーザーを集めることができます。イベント内容によってはコスト面を抑えることも可能です。
技術の発達
XR技術の発達やインターネット回線の高速化により、メタバースに簡単にアクセスが可能になりました。誰でも気軽に接続できることで、ユーザー数も増加しています。
さらに、NFTのおかげでさらなる発展をしています。NFT(Non-fungible-token)とは日本語では「非代替性トークン」と呼ばれています。NFTによって唯一無二の資産価値を持たせられるようになったおかげで、メタバース内でのデータの売買が行えるようになりさらなる飛躍に期待できます。
ビジネスにおけるメタバースの可能性
メタバースの可能性について、以下の3つを紹介します。
- バーチャル店舗
- メタバースオフィス
- イベント・観光
バーチャル店舗
今私たちの身近にあるネットショップは1人でサイトに訪れ、必要なものを買いますが、メタバースの店舗はリアル店舗に近い特徴があります。実際に友人と一緒にお店を回ることやショップスタッフとの会話や相談、ウィンドウショッピングを楽しむことができます。
また、世界中のどこからでもアクセスができるので、海外からのお客様を呼び込むことができます。期間限定ではあるが複数のショップを巡ることができます。さらなる進化と拡大に期待できます。
メタバースオフィス
コロナ禍によりリモートワークとなり、新卒や中途採用の社員では会社に馴染み切れずに苦労している方は少なくありません。そこで、Meta(旧社名:Facebook)やマイクロソフト社などがオフィスをリリースし、VR機器を装着しアバターとしてオフィスへの入退室、会議室での作業が可能となりました。
会社に馴染めずコミュニケーション不足や相手の表情が見えるので、リモートワークへの問題が解決するなどさらなる需要が見込まれます。
イベント・観光
「コロナ禍での新たなビジネスチャンス」でも伝えましたが、イベントだけでなくメタバース観光が発展すると考えられています。旅行に行きづらい今、あたかもその場にいるかのような間隔が得られるメタバースで、仮想空間内で観光をするサービスが増えています。
さらに、世界中でも観光に取り組む働きが加速しているので、大型連休が取れない方やリアルで旅行するための予習としても活用できます。メタバース内で現地の人とコミュニケーションが取れるようになるなど、今後さらなる発展をしていくでしょう。
まとめ
メタバースはまだ始まったばかりの市場ではありますが、今後もさまざまな企業が参入すると予想されます。メリットもデメリットも確立せず、情報が揃うまでは参入を控えるということも戦略と言えるでしょう。メタバースに参入する際に、自社でどのように活用していくかを検討してみてはいかがでしょうか。