M&Aにおける秘密保持契約は、不可欠な契約の一つです。M&Aに興味を持っていることや企業の内情が漏れてしまうと、経営に与えるダメージは計り知れません。
第三者に対して、情報を漏洩しないことは最も重要な留意事項となります。
では、秘密保持契約をむすぶ際には、どのような点に注意すればいいでしょうか?
今回は、M&Aににおける秘密保持契約について、注意すべきポイントをご紹介します。
秘密保持契約が必要な理由
秘密保持契約を結んでいないと、M&Aに関する情報が漏洩する可能性が高くなります。
仮に、漏洩してしまうと、どういう影響が考えられるでしょうか。
たとえば、
・経営者がM&Aに興味を持っていることを、従業員が知ってしまう
・企業の内情が業界に知れ渡り、顧客の不信を招いてしまう
などです。
これらが経営に与えるダメージは計り知れないでしょう。よって、M&Aにおける秘密保持契約は必須と言えます。
また、M&Aの秘密保持契約は、売り手と買い手の二者が交わせば良いわけではありません。
実際のM&Aでは、さまざまな第三者が関わります。すべての人から情報が漏洩しない状況を作る必要があります。
M&Aに関わる第三者とは、
・税理士や弁護士や会計士などの専門家
・M&Aアドバイザー
・M&A仲介会社
などでしょうか。
では、秘密保持契約で気をつける点とは、どのようなものがあるでしょうか。
秘密保持契約のポイント
1、契約の目的を明記する
M&Aにおける秘密保持契約の目的は、「M&Aで関わった情報を漏洩しない」ということです。
この部分がいい加減だと、M&A以外のことに知った情報を利用する可能性があります。
2、情報共有の範囲を明確にする
一般的なM&Aにおいて、買い手側のほうが、売り手側の情報をより多く収集します。
これは買い手として当然の行為です。そのため、多くの情報を開示すると、売り手側は、情報漏えいのリスクが高くなっていきます。
したがって、開示する情報を共有する範囲も契約で決めておくのがいいいでしょう。
3、M&Aが成約しない可能性も想定する
秘密保持契約を結んだとしても、M&Aが成功しないこともあります。そうなると、提供した情報は、返却してもらうのが望ましいでしょう。
仮に情報を提供したままにしておくと、将来的にその情報を利用されてしまうかもしれません。
よって、秘密保持契約でM&Aが成立しなかった場合のことも考慮して、契約書を作成しておきます。
4、契約を違反したときを想定しておく
秘密保持契約を結んだからと言って、必ずすべての人が契約を遵守してくれるとは限りません。違反をした場合、どのような罰則があるのか?を明記しておくことで、違反されるリスクを減らしましょう。
まとめ
M&Aに関する情報は、売り手にとっても買い手にとっても、秘密を保持すべき重要な情報と言えます。
できるだけ情報漏えいの帽子に努めておくのが良いでしょう。
最終的には、具体的なシーンを想定しつつ、両者間が納得のゆく契約を交わせることが大切です。